グレート・ノベンバー/長谷伸太
「春をしらないからだよ。もっと凄いから。」
もちろん太郎君とノベンバーの遊びは、ススキを引き抜くだけではありませんでした。テレビの芸人の真似や、大好きなヒーローのまねをしたりします。でも、うまくいかないこともしょっちゅうでした
「だから、ここで死ぬんだってば」
太郎君は必殺技を出したのです。それにあたると怪獣役はやっぱりたおれなければなりません。でも、ノベンバーは楽しそうに笑っているのです。
「死んでませんよー、心配いりません。」
「違うって、必殺技があたったの。大怪我して倒れるの。馬鹿じゃないの!!」
「だいじょうぶ。心配ない。」
一生けんめい太郎君が説明しても、ノベンバ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)