五月の彙報/本木はじめ
五月の彙報
月光のはしゃぐ五月の階段の途中できみとすれ違うだけ
降り注ぐ色とりどりの花々がきみを優しく包み込む通夜
未熟だと知ればけもののねむりから飛び立つひかりの行き先を追え
罪深きあだむとイヴという言葉とってもとっても清少納言
人形をおんぶしている幼女からもらった飴が意外と苦い
あー、ぼくはミルクと抹茶だけでいいすべての嘘が去ったその午後
ガソリンにライター投げてそれからは覚悟を決めてほほえむだけよ
空撮をしているヘリコプターを見て墜ちればいいと思う空ごと
汚れた手みつめて春はどんよりと過ぎゆ
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