「優しさ」についての論考/広川 孝治
そうだ。
聞かないこと、かかわらないこと、余計な手出しをしないでそっとしておくこと。
それが優しさだと考えるのが現代の優しさ。
過去は、実行が伴っていたらしい。本当に優しいのなら、一時的に嫌われようがきついこと言われようが、相手のためを思って行動する。かかわる。それが真の優しさ。
しかし、今は、それがおせっかいであり、独り善がりになりかねない部分を重視して。むしろかかわらない方が優しい。そうとらえるとのことだった。
僕はその変化に。実存主義が否定されたことが関係しているのではないかと考えた。
実存は本質に先行する。人は、自分の行動によって、真の自分を見ることが出来る。
サルトルは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)