「優しさ」についての論考/広川 孝治
 
最近知人から「孝治さんっていつも優しいよね」って言われた。
自分は本当に優しいのだろうか?
優しく見られたいゆえに、優しさを演じているのだろうか?
それとも、ただ単に、弱さが優しく見えるだけなのだろうか?
ふと考えた。
そして、優しさってなんなんだろうと考えた。

本当の優しさってなんなんだろう。
優しさの定義が時代とともに変わっていくという話をどこかで読んだ。
確か「優しさの精神分析」という本だったと思う。そこで、精神分析医が、最近の患者さんを分析して、優しさ、という感情に対するとらえ方を説明していた。
その説明によると、最近の優しさとは、相手の感情に踏み込まないこと、だそう
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