法事/腰抜け若鶏
祖母の法事に出席した。
たくさんの親戚達が一同に集い、
今は亡きマチコさんにありがたいお経をあげるのを聞いた。
坊さんが言っていた。
今この時、今の自分がいるのは故マチコさんのおかげである。
そのマチコさんが生まれたのは彼女の両親のおかげ。
そんな途方も無いつながりの中で今の自分がいる。
そう感じたとき、人は自ずから自分の祖先に畏敬と感謝の気持ちを示すのです。
その後、親戚一同で会席料理を食べた。その味はともかく、
なんというか不思議な空間だった。
俺にとっては新しい別世界、別の価値基準で支配された空間だった。
クラスメイトからは異端児。後輩からは頼れる先輩。家族
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