観覧車が燃えてるように見えたのは夕陽のせいだった。/カンチェルスキス
のを持ってるような気がおれはしてた。疎外感と言うか、除け者にされた感じで、おれは悲しかった。望まれてなさが強烈に身にしみた。でも、どうにかあの構図をものにしたい。あまり長くなると目が乾いてくるから省略して、『十女』とだけ書くけど、そいつをものにしたいと思った。後ろから抱きしめてやりたいと思った。で、おれが思うのは、おれにも資格は十分にあるってことだ。あの構図をものにしてる野郎どもはみんなさえないやつらだった。おれだってさえないやつだったのだ。その証拠を挙げるときりがないから一つだけ言っとくが、おれはいまだにトイレットペーパ―の芯の取り替え方がわからない。なあ、いいだろう、これで十分なはずだ。どうし
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