嘘つきは泥棒のはじまり/プテラノドン
 
のに取り替えればいいし、
年代物の杯で、できたばかりの酒を飲むといった
温故知新の精神も忘れてはいけないと
思い立った私は、二十年越しの夢を叶えるためにも
泥棒らしく盗みたかった。と言っても、
店長は目をつぶってはくれないし
調書をとる警察官の目つきも変わらない
理由が手錠の鍵に還元することはないだろう。
もっとも、裁判の業のように捻じ曲げられる
のっぴきならない理由もあるのも確か。
私はそれを反転させて自伝映画を作りたいが
スクリーンに映し出される映像のほとんどが
こんなに赤くていいのかしら、とでもいうような赤さで
それ以外何も見えないし、見るに値しない。
だから上映
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