yuruiharu/本木はじめ
 



僕はもう疲れてしまっただからもうサバトは欠席しますせんせい


そっと手を伸ばせばきみの唇がゆっくり「はる」と動く病室


テーブルの下に潜れば脚の森いちばん白い木を抱き眠る


安定を望むゆめみる春風の原に寝転ぶ旅人と猫


枯れた花一輪荒野に在るだけのようなぜつぼうてきな片恋


待ち合わせ場所は深夜の墓地の隅あなたのゆびを掘り出している


いつはりのメトロノームの刻むそのリズムでぼくらずれてゆく春


ビターチョコレート過剰に食べた午後あなたとお茶が飲みたくなるの


ああ、きみが選ぶ緋色のスカートがあらゆる赤の基調を変へる

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