感想の感想/アマル・シャタカ
は書いておられる。僕は「生きていることはそんなに羞づかしいことなのか!」を読んだら「然り!」と答えてしまうほうである。笑ったりはできない。僕も今年35歳になる。太宰にはまったりはしないが、自分の人生経験から、そう思うのである。僕は自堕落な人間である。しかし、そんな僕でも「自堕落を自覚しない自堕落な人間」が嫌いである。だが、「どうしようもない自分を自覚している自堕落」な人間には愛着を感じてしまう。ある一個の「理想」とする世界があり、それに対する自分の在り方を求めるのが求道である。その理想が高ければ高いほど、自分の至らなさを痛感しつつ、人は道を昇っていくのである。
『在り方を成立させる技術について』
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