小説「みどり」(あをの過程さん)についての長い感想/ふるる
 
からも繰り返されます。まるで、呪文のように。

みどり(4)
さて、みどりさんの一人称です。どうやら二人の○○が○○○らしいのですが、(ちょっとびっくりなところだから
伏せておこう)それはさておき、こんな文章があります。
「――こんな順番とは関係なく、私の目の前に広がっては消えていくいくつもの景色があります。いくつもの彼がいて、いくつもの私がいて、それらは空気みたいに入り混じり合いながら、今の私とともにここに佇んでいます。」
ああ、とっても親切ながら、ここで、この小説がいやに時間や記憶が交互に割って入るなあといぶかしく思う読者への説明が。

この言葉こそ、この小説の全てであると言っ
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