小説「みどり」(あをの過程さん)についての長い感想/ふるる
ういう部分を読むと、私はアンドレイ・タルコフスキー監督の映画の中の、なにげない(?)シーンが延々と続く映像を
思い出します。日本の高速を走っているところを車の中からとか、トロッコで線路を行くところとか、主人公が行ったり来たり
するところが、延々と10分以上(だったと思う)も続くのです。
そういうシーンを見ていると、こちらはすっかり主人公の目線、主人公の気持ちが乗り移ったような気分になったものです。
この章も、そういう感じを思い起こさせます。
最後の、「海が、見たかった。」が、まるで自分が思っているようになってしまうのです。
(また、「海が、見たかった。」なんて、なんだか青春の1ページが
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)