Tomorrow of the same rabbit(1)/篠有里
 
が降る中にぽつぽつと音が聞こえる雨の音を聞き、
時々ガラス質の目の際に、溶けた水がなぞり落ちるのを感じている。
あらゆるものが少しずつ溶け合うという事。

ウサギの在処からふと視線を上げると、
ボンネットをもつ古いバスが行き過ぎ、反り返ったあり得ない山を登る。
不自然に反らせられた山、雪の冠、ウサギの背に登る事、
および私が槍で突いてなだらかに傾斜した山の背。
私たちの背にそれぞれ登りあう事を、私もウサギも体をかしげて見送っている。
空から見ている白鳥は視線の元々が曲がっているのでその必要が無いと言う。

さあ飛ぶ。必要が存在しませんがそれは飛ぶ。
ねぇ、あなた、一体いつま
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