Tomorrow of the same rabbit(1)/篠有里
暗い窓に反射した幽霊の正体は単なる労働安全衛生のポスターだ。
女が笑う白い歯を疎ましく思いながら私は超過勤務時間に突入する。
遅くなる帰りまで充分に私を働かせる。
既知のウサギが私に挨拶して傍らをまた通り過ぎる。
それが今日のこの日のすべて。
よく考えてみたけどむしろ私が思っていたより空の白鳥は白くない。
そして冬には帰らない。
歩みと足は鈍く、帰り道と共に私の心は知らないどこかに、
遠く、遠く、白い翼で飛び立ちそうだ。
その時に終わりは仮に訪れて、
新しい日というものが結局同じものであるという事、
そのように私の今日は複製される。
毎日大きなリスクを背負って戦
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)