Tomorrow of the same rabbit (2)/篠有里
 
みんなが歌い歌いながらそれを待ちわびている。
三毛の裸でふるえるしかないあなたと私。
手を握って私から伸びた長いウサギの耳に待ち受けていた、
素敵なfactとその答えを早く早く告げて欲しい。

もう心痛めるウサギのように、潰されて、積み上げられて、うち捨てられて、
雨色に染まっていくだけの存在じゃない事を、
私に、私の一日に、どうか早く知らせて欲しい。

歪んだ銀色の球形の世界。
発車しない電車の中から見るホームは暗く湿って、
電車が向かうはずの方向だけかすかに明るい。
きっとその向こうには彩度の落ちたしろい町が広がっているはず。
そこで色づいていいのは、きっと私とあなた
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