愛されるべき私/篠有里
てまた立っている。
一体どこで、私の信望する貌のない神は、
行為の終わりがあるかどうかを知っているのか。
それを知る事は不必要と判じられた。
ならば昏い場所にいる名前のない私を、好きなだけじっと見つめればいい。
「わたしの願望がそれです」
しかし、あなたは「わたし」を強制する。
名前は与えられ、口の端に上る時、たとえそれを断わりたいとしても
私の行為はいつも虚しく不可能だと決まっている。
私が拒絶するかもしれないのに、あなたは「わたしで」自由に名前をつける。
そして、あなたはそれを確定して細かく分類し始める。
その時
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