愛されるべき私/篠有里
 
てまた立っている。

一体どこで、私の信望する貌のない神は、

行為の終わりがあるかどうかを知っているのか。

それを知る事は不必要と判じられた。

ならば昏い場所にいる名前のない私を、好きなだけじっと見つめればいい。



「わたしの願望がそれです」



しかし、あなたは「わたし」を強制する。

名前は与えられ、口の端に上る時、たとえそれを断わりたいとしても

私の行為はいつも虚しく不可能だと決まっている。

私が拒絶するかもしれないのに、あなたは「わたしで」自由に名前をつける。

そして、あなたはそれを確定して細かく分類し始める。

その時
[次のページ]
戻る   Point(0)