底流の鏡/カンチェルスキス
した。
会社が潰れるかもしれないという話になった。
おれは立ち上がり
レジに向かった。
主人の頭から整髪料の匂いが濃くにおった。
釣りを受け取ると外に出た。
しばらく歩いてみた。
本屋がつぶれて
まわりを黄色と黒のロープで囲まれてた。
女子高生が二人並んでローソンの車止めに腰かけて
カレーまんを食べてた。
ガソリンスタンドから
給油を終えたダンプが
合流した。
ペットの美容室の電飾表示が点滅してた。
『プードル』という文字が点滅してた。
おれは明かりが尽きるところまで
歩道を進んでいた。
引き返した。
駅に戻った。
ド
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)