底流の鏡/カンチェルスキス
。
ハンチングに口ひげのおっさんが
メモ帳を開いて今まで殺したやつらを確認してた。
扉の近くに座った坊主頭のおっさんは
その中に入ってなかった。
おれは入ってた。
おれは大盛りのラーメンを頼んだ。
坊主頭のおっさんが
スープを飲み干し鼻を啜った。
二つあるカレンダーは接骨院と畳屋だった。
どちらも毎週火曜日のところに赤いマルがついてた。
ハンチングのおっさんにラーメンがきた。
卵入りだ。
おれは冷水をコップに注いだ。
こぼれてコップのまわりに水溜りができた。
大盛りのラーメンがきた。
坊主頭のおっさんが勘定を済ませ出て行った。
丼
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