鳥/a.u.i.
いがため祈った
けれどそんな祈りもすべて
明日にはチョークの粉に紛れて
届かなくなってしまう気がした
考えてもわからないことがたくさんある
それは鳥が羽を手に入れたことに似ている
先生はそう言った
ならば
私は私で良かったと思った
ある日
それは、潰した上履きの踵が少し自分を許し始めたような
そんな日であった
言葉が廊下を這った
あれはあいつを手中に入れるための嘘だ
どうも厄介な生徒でね、
それは先生の声であった
考えてもわからないことがたくさんある
それは鳥が羽を手に入れたことに似ている
という言葉が
鳥のようにして
私
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