鳥/a.u.i.
私の中を滑走するのでした
短いスカートが寒い
これで世の中を風潮してみせよう
寒さ染み渡るこの公園ものびきった猫の棲家も
意外と寒くはない、と
潰しきった上履きの踵が唯一己の存在である
そうだきっと
此処には色んなものが溢れかえっているのであろう
問題はそれらを
どうやって黒く、白くさせないかである
遮断機が目を真っ赤にさせている
彼もまた、つらいのであろう
ロッカーを閉めて外へ行こう
そして窮屈なローファーを踏み鳴らせ
いつしか時化たこの街にもあの街にも
きっと順応できるように
いや、
順応できますように。
そっと祈りごとを終えて
きゅ、っと握ったロッカーの鍵から
冷気が手に染み渡った
あゆみ
この名前をありがとう
あゆもう
考えてもわからないことがたくさんある
それは鳥が羽を手に入れたことに似ている
だから私は鳥になろう
そしていつか私は鳥になろう
次の角までに
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