ひかり・ひかる・ひかり/前田ふむふむ
の輝きをしめす、それは、ひかりが言葉となって、自立しているのだ。ひかりは、さわやかな明るさを、酸素のこころから搾り出して、壊れかけている安定しない僕の肉体の縁を、やさしく正しながら、微細な音階を散りばめて。ひかりが聴こえている。
聴こえる/聴こえる/聴こえる
ひかり/ひかり/ひかり/ひかり が聴こえる
聴こえる/聴こえる/聴こえる
音が ひかる/ひかる/ひかる/ひかる
きらり/きらり
きらきら/きらきら/きらきら/きらきら
世界が泣いたあの葬儀場の壁にもガラス越しに、ひかりは音をならしていた。音は死者の記憶をつつんだこころの領土に、むかって、激しく燃えだして。沸騰した悲しい音
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