ひかり・ひかる・ひかり/前田ふむふむ
海は沖まで、陽のひかりの反射板のようにきらきらと輝いている。
ひかり/ひかる/ひかり
ひかりを見ている
ひかり/ひかり/ひかり/ひかり
ひかり/ひかり/ひかり/ひかり
ひかりが聴こえる
壁の木目が美しく泣いている。その音律は僕の眼の中にとける、卑屈ななみだを洗い流して、忽ち、僕の耳が耐えている、日常の屈折した閉塞に大きな穴を開ける。
ひかりの海は大きくなってあふれだして。
ひかり/ひかり/ひかり/ひかり
きらり/きらり
きらきら/きらきら/きらきら/きらきら
ひかり/ひかり/ひかり ひかりを見ている
ひかりは僕を翻弄する。
ひかりの光景がかわれば、ひかりは別の輝
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