ユニコーン/光冨郁也
は、角がある。
(わたしはどこに行くんだろう)
先に女が馬に乗り、わたしは女の手に引っぱられ、その馬に乗った。
地を見下ろし、ゆっくりと、白いユニコーンは進む。
地平を揺らすのは、深い森と、ユニコーンのひづめで、わたしを揺らすのは、女の背中だった。
女はわたしの手を自分の胸に持っていき、
頭上で/鳥が/鳴きながら飛んでいく/発音した。
わたしの喉は渇いている。
泉の前で、ユニコーンから降り、深い緑の葉の上で、わたしたちはもたれあう。女が縁の濃い目で見上げる。女はわたしを見つめ続ける。わたしはそっと視線を落とす。
自宅の前に立っていた。戸を開けて、息をひそめるよ
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