喝采のクレオパトラ/カンチェルスキス
確認できて、おれはメシより先に、今日のオナニーの題材について考える、
題材なんて言葉は文学的だと訂正して、オカズ、
今日の晩飯のオカズも決まらずして、おれはぼんやり考える、
ふっと思い浮かべた顔は、知らせ、明日とか明後日の天気を知らせるあの女の
足首ちかくにある踝、純粋な光沢、それのみを頼りにして、
おれは手足と自分の呼吸を忘れて、我に返る、この瞬間はいつだって
戦後って言い表すにふさわしいな、とおれは思う、価値観の逆転を繰り返し、
少量のたんぱく質、それが案外、生活の頼りになって、
小便まみれのピンクだった便座が今は薄茶色、こびりついた、真白の陶器の赤錆の
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