無い/渡邉建志
 
々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々(閉じ込められた)私(有る)はみた。無いの赤い蝶々が閉じられた無いの体から開かれていくのを、無いの体が激しく揺れて、連結部の狭いドアとドアの間から、赤い蝶々たちが私たちに向かって攻めて来るのを。しかし情熱は閉じられる。電車は終着駅へ付くシークレットエンドオブザワールド私(有る)はその前に電車を降りる。向こうに広がるゾーンに私たちは近づくことはできなかった。ただ、そこがとても美しいことだけは、知っていた。隠された
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