近代詩再読 草野心平/岡部淳太郎
「デンシンバシラのうた」などにより強く惹かれる。
{引用=そんなときには。いいか。
デンシンバシラとしゃべるんだ。
稲妻が内部をかけめぐり。
丸い蜜柑がのけぞりかえる。
そんな事態になったなら。
白ちゃけて。唸るようにさびしくなったら。
人じゃない。相棒になるのは。
夜中の三時のデンシンバシラだ。
デンシンバシラはゆすっても。
デンシンバシラは動かない。
手のない。指のない。見えない腕で。
デンシンバシラは。しかし。
お前を抱くだろう。
ありっこない。そんなことが。
そんなことの方がまだあるんだ。
ちぐはぐで。ガンジガラメで。
遠吠えしても
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