夢を見すぎて悪くなった瞳/和泉 誠
本当に欲しいものが何なのか分からない
分かったとしても
それは絶対手に入らないものばかり
自分は特別だと思ってた
人とは違う人生を歩んできてる
それを自分の誇りにしてた
でもそうやって生きるのは疲れちゃうよね
お前らとは違うんだ
自分は特別なんだ
そうやって無理して違いを作ることにこだわってさ
そんな事にこだわってきたから
結局この年まで
確かなもの一つも手に入れられなかった
何かになったふり
何かをできるふり
そういうごまかしばかりが上手くなって
誰かのために自分を犠牲にするとか
誰かのために自分を我慢するとか
実際に何かをしたって経験がほとん
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