<昔詩(十代のノートから) 1976〜1978>/藤原 実
 
なたの手に落ちてきたとしても
共に暮らす彼女のため
あなたは部屋の明かりを
そっと消してやることが出来る




   ?

  失題

女は
うつむけ
上目づかいに
未来を見る
すこし現れ
すこし隠す
指の謎のようには
櫛を入れることなく
木漏れ陽を映せ


「男なんて太陽じゃない
  私ののぞくおもちゃ
  の万華鏡にすぎない
  太陽のかけらに注がれた
  ガラスの粉末にすぎない  この頃
  ファウストを導くサタン
  のことを
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