<昔詩(十代のノートから) 1976〜1978>/藤原 実
とを考える」
暗闇にひとつの塔をたてろ
窓に首を吊った男の指から青い糸が垂れ
世界はまた一回転する
むきかけの果実のように
鮮やかに黒い女の歯がゆっくりと
それを咀嚼する
あこがれ
が喉につまる------
三千年も先に吐き出してしまう
?
せんちめんたる
生まれてから出会った
あまたの青空の記憶が
ふいにひとつになった
ぼくの瞳は透明になって
おとろえた夏の青空を
飛翔する
むずかしい本をわすれ
青空を探検することにした冬の日
かたい土の中に
ぼくの感傷を封じ込める
・・・・・・
封じ込んだ!
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