林檎を見ています/ふるる
 
て。
小さな国の小さなお姫様、お姫様は外で遊ぶのが大好き。ある日一匹の蝶がお姫様の髪にとまって。蝶は言います、「あっちにはもっと面白いものが沢山ありますよ」蝶が指し示す方は、白い霧で覆われた森。お姫様である林檎は大げさな身振りで応えます「でも、あっちには行ってはいけないと言われているの」「そうですか。ではさようなら。」蝶は残念そうにため息をついて、飛んでいってしまいます。お姫様はしばらくまよっていましたが、やがて決心すると、白く霞んで見える森へと入って行ってしまいます。
随分待ってもお姫様は戻ってこないので、このお話は終わりのようです。
白い森に入っていく紅色のお姫様は、砂に埋まってゆく小さ
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