無題/---
目黒区にあるすべての駐車場にポテトチップスをばらまけ
タイヤがコンソメ味やうす塩味を踏みつけるたび最高においしい音がする
それは味覚を遠隔で感じるための言葉だ
その気持ちと歪んだ俺の一人称
それらをカギカッコ
くくったあとは箱にしまって出かけようぜ
戸締まりもしなくていい
まだ土が柔らかい公園で1978年の夏に向かって詩を書こうぜ
眩くて俺、それだけで泣いてしまうだろう
詩集を捨ててパソコンも消してしまって
魂をシャーペンで呼び起こすんだよ
*
イメージはだだ漏れする
*
紙面の端 乾燥した空気の中で
ちょっと出かけてくるね、と言って消えた女
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