二十五時まで待って/ZUZU
 
日までを日記をめくるように思い出す

午後二時
おなかが空いてしまって三百円のラーメン屋に入る
でも待ち合わせのバス停のほうが気になって仕方がない
よくあるんだたった五分のすれちがいが永遠だったなんてこと

午後五時
ぼくの時計は機械式なのでおよそ正確ではない
きっと今はまだ五時には五分ほど足りないころだとおもう
信じあうために昨日携帯は川の底へふたりで投げ捨ててしまったんだ

午後七時
ちらちらと雪がまた降り始めてくる
川のほうでパン、と音が弾けたとおもうと夜空にあざやかな花火があがる
むかいのビルに映った花火は刑務所の解体のためのお祭りなのだ

午後九時

[次のページ]
戻る   Point(4)