二十五時まで待って/ZUZU
 

きっと午前九時と午後九時を間違えたんだろうと途中で気がつく
いつもそうなんだあのコったらそんな勘違いばかり
思えば欠点だらけだけどでも愛せない欠点なんてひとつもないのさ

午後十一時
最終バスが酔っ払いを吐き出すころ
寒さのあまりぼくのおなかも痛くなってきてしまう
そういえばあのコも緊張するとよくおなかが痛いと言っていたっけ

午前零時
約束の日は午前零時までなのだからあのコはまだ約束を破ったわけではない
ぼくの時計もこんな時間ならばもう十分は遅れていることだろう
あと十分はあのコを信じていられるんだそれがしあわせ

二十五時
たぶんあのコは行き道でおなかをすかせた子猫でも拾ってしまったんだろう
おんなのこはそういういきものなんだ
ぼくのことはいいよ今は子猫のほうがだいじさそんなあのコが好きだったのさ




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