ラランキティ/和泉 誠
っと僕を睨みつける
その姿があんまりにも可愛らしすぎて
僕はラランキティから嫌われるのが怖くなった
「ほら、あの人」
「ええっ?まずいよラランキティ
だってあの人は…」
ラランキティは羽の生えた女の人の背中を
指さして意地悪そうに笑う
手には真っ赤に熟した大きなトマト
「ほら、やりなさい」
「で、でも…」
「なあに?口答えする気?」
ラランキティには勝てるはずはない
僕は諦めてトマトを掴み、狙いを定める
手加減して投げるはずがラランキティのせいで
「きゃっ!ちょっと何するのよ!」
「あ、あの
これはラランキティが…」
隣にラランキティ
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(0)