ラランキティ/和泉 誠
 
っと僕を睨みつける
その姿があんまりにも可愛らしすぎて
僕はラランキティから嫌われるのが怖くなった

「ほら、あの人」
「ええっ?まずいよラランキティ
 だってあの人は…」

ラランキティは羽の生えた女の人の背中を
指さして意地悪そうに笑う
手には真っ赤に熟した大きなトマト

「ほら、やりなさい」
「で、でも…」
「なあに?口答えする気?」

ラランキティには勝てるはずはない
僕は諦めてトマトを掴み、狙いを定める
手加減して投げるはずがラランキティのせいで

「きゃっ!ちょっと何するのよ!」
「あ、あの
 これはラランキティが…」

隣にラランキティ
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