手向け(骨)(糸)(雪)(暁)/蒸発王
キャラメルマキアートと格闘する
猫舌女のほっぺを
つねってみた
怒られた
へらへらと笑って
おごりだから遠慮してね
と言うと
彼女は溜息をついて
再び戦い始めた
大丈夫
大丈夫 柔らかい
大丈夫
大丈夫
彼女は彼を忘れない
外には
銀糸の冬雨が降っていた
十二月二十九日
僕は
『彼』と『彼女』が好きで
『彼女』に泣かされてる『彼』が好きで
『彼』を怒鳴ってる『彼女』が好きで
あの2人は僕の処女雪だった
【手向け】−12.29 雪−
ありえない組み合わせ
犬猿の2人を
見かけたのは
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