「渡る世間は鬼ばかり」はどうして文学史に載らないのか。/和泉 誠
 

次の世代はTVドラマを作りました。

文化を結晶化するための媒体は
栄えては消え
栄えては消え
そしてその度に
新しい媒体が生まれてきます。
まるでそれ自体が生き物でもあるかのように。

だから、逆らったって無駄です。
「渡る世間は鬼ばかり」を載せる事ができない今の文学史は
もうどこかの博物館の標本になる運命しかないんです。

歴史に残るものは、
例えば年末になると必ずTVで流れるベートーヴェンの第九。
TVという20世紀の媒体からもちゃんとオファーがありました。
その理由は一体なんでしょう?
それが真の芸術だからですか?
たいそうな理由ですね。


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