「渡る世間は鬼ばかり」はどうして文学史に載らないのか。/和泉 誠
芸術なんて「人の創作物」というカテゴリーでくくってしまえば
形は違えど大きさは違えど
大して変わらないと私は思います。
こんな事を言うと偉い人はすごく怒りますが。
家族で美術館にて。
歩きつかれた子供が椅子にへたり込む。
「変な椅子だね」
「ははっ、本当だな。どれ記念に一枚」
とお父さん。
「あの、そちら当館の展示品ですので・・・」
「えっ・・・こら、マサト!立ちなさい!本当にすみません」
永遠ではない私の人生にとって
その芸術とは一体何であるか?
どれだけの価値を持って、何か私のために利用できるのか?
私は常にそれを考えます。
もちろんわざわざ美術館でそれを口に出して
周りの人を怒らせるような事はしません。
ただ、何か大きな力に騙されながら
あるいはその嘘を必死で抱きしめながら
自分の限られた人生を送れるほど
私は善良でもお人よしでもない。
それだけです。
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