フラグメンツ #91〜100/大覚アキラ
たまには文句や愚痴をこぼしながら
黙々と仕事をこなすだろう
休日には
犬の散歩にも行くだろう
三日に一回ぐらいは
つまらないことで妻とケンカして
娘には
毎晩寝る前に本を読んでやるだろう
だから
すべてが幻だとしても
ぼくは
何も怖くはない
何一つ変わらない毎日を
生きてみせるよ
#98
やさしさと
いとおしさのあいだの
言葉にできない
ふわりとした
あの感じを
一撃で貫通してみせてくれ
昼下がりの公園で
手をつなぐ恋人たちのあいだを
音速でブチ抜くみたいに
ソフトク
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(3)