母からの手紙/ポン太
 

嬉しそうに子犬を抱いた私の写真。

 その他にも、姉の成人式や結婚式、日常の些細なことなどを頻繁に送っているようだった。それらは全て、祖母への優しさと娘二人に対する愛情にあふれていて、何だか私は胸がいっぱいに、いっぱいになったのだ。
 あの日以来、どんどん自暴自棄になっていく私を見て、母はどれほど胸を痛めていたのだろうと。

 私は突然、母の写真が見たくなって、
「おばあちゃん、お母さんのアルバムある?」
と聞いてみた。
「ん?あるよ。ちょっと待ってね。」
 祖母がゆっくりと腰を上げ、アルバム三冊を持って来てくれた。
 一番古いアルバムから開いてみる。私が生まれる前の母。
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