◎吉増剛造覚書?ハルキ文庫版「吉増剛造詩集」感想 /石川和広
脈に書きつけようと
旅にでた
恒星は朝になったら文字になる!創造の掟を破壊する刺客として、狩人とし
て、旅人として、頑迷なる天動説保持者として、マルコ・ポーロ復讐にゆけ!
(「魔の一千行―天山断章」より)
そのドキュメントを導き、生かしているものは何か?
テキスト論―デリダのようなーは、「生の声」というのはないと指摘する。全ては痕跡なのだと。全て「書かれたもの」から言葉が組織化されていると。そうだろう。
この文庫の解説は石川九楊という書家が書いているが、これは偶然ではない。書とは書かれたものをまた新しくなぞりながら、そのなぞりかたにリアリ
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