廃棄文章 #01/Monk
日にグラタン皿を棚から取り出し、
ホワイトソースを作りあげ、
具に多少の工夫を施し、
ときには行き過ぎた素人の工夫で台無しとなりつつも、
オーブンで焼き上げ、
その表面の焦げ目を評価する、
その過程が君たちがかつて持っていた翼だ。
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(3) ありきたりなドラマ
彼女と喧嘩。
走り出す彼女を追う。外はどしゃぶり。
待てよ!叫んでも止まらない。
彼女は踏切を渡り、僕は渡れない。
二人を遮断する電車。
警笛が鳴っている間、僕はうずくまる。
電車が通り過ぎる。
きっと彼女はもういない。
警笛が鳴り止み、力なく顔をあげる。
ほら
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