見えない(たもつ様作)〜公正とは何か〜/ポロリ
 

 悲しみを道端で拾い、この詩を読んで、悲しみを連想した人は、また明日も道端で悲しみを拾うことを連想するかもしれない。戦争に怒りを覚え、この詩を読んで、戦争の惨禍を連想した人は、明日の新聞記事を連想するかもしれない。
 あらゆる負の産物をあらゆる機会にあらゆる方法で読者が引き受けるという連想を、この詩はさせる。つまり、この詩は、「読者との間に予言的なトンネル」を内包した詩そのものなのである。しかも、他に比してこの詩が優越する点は、どのような心理状態の者にでも、あらゆる角度で、連想させることができるという点にある。「ゴミ」はあらゆるゴミを取り込みうるのである。
 村上春樹の視点(というか海辺
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