見えない(たもつ様作)〜公正とは何か〜/ポロリ
海辺のカフカの抜粋)からすると、この詩は比類なき唄と呼ぶべきだろう。
さて、他人のフンドシで相撲をとった後ではあるが、私の視点をとってもこの詩は高く評価される。
この詩が語るのは、「ゴミ」はそこここで生まれそして天から降ってくる、ということだけである。「だけ」なのがポイント高いのである。そこにはなんの善悪の評価も無い。「ゴミ」がなんであるかを表明していない点で、読者の価値基準に接触することを回避している。さらに、この詩は、読者に、読者自身の価値基準と価値判断を掘り起こさせて、改めてそれを見つめ直させるという機能を持つ。かくして、読者はかつて判断しそれ以降固定していたであろう、価値基準を設定しなおす契機を与えられるのである。しかも、その変動は自由である。特定の意図に沿って変動することは無い。
公正な立場で、公正な方法によって、個人の価値を、その個人自身によって問い直させるとは、美味しいとこ取りし過ぎでは無いだろうか。
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