半生記/炭本 樹宏
 
んだ
 そのうち僕の中にこれは実験だ
 生きていけばどうなるか実験してみようと思いが湧き立った
 苦しさは変わらない
 そんなある日知り合いのおばさんがアメリカの知り合いのところへ
 行ってみないかと誘われた
 煙草を買いに行くのさえ恐ろしかった僕にアメリカ旅行なんて
 できるはずがない
 おばさんはとんとん拍子に話を進めていって、結局行く羽目になってしまった
 それは1999年4月19日のことだった
 僕は一人でアメリカ行きの飛行機にのった
 恐怖感でいっぱいだった
 英語もそんなにしゃべれない、ハンドブック一つだった
 薬も携帯した
 アメリカに到着すると迎えに女性
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