『9月11日の線香花火』/川村 透
 
しさにもだえながら
韻律のように熱い花に生まれ変わり生まれ変わりして
蛇のなめらかさで筒の螺旋をすべり降りてゆく。
生まれ来る炎は、ぱちぱちと拍手によって呪われてでもいるようにはじけ跳び、
かつての住処の上に
ばらばらの死骸のおごそかさで福音とともに降り注ぐ
ばらばらの死骸がおごそかな、福音とともに降り注ぐ
 
 
------おおお赤いテロル白いテロル砂のテロル
灰色の粉塵目蓋の裏、軍人どものウォー・クライ脳髄は蛍のように
かぼそい明りの中垂直にそびえ輝く矩形の歯磨きビル、ダイヤゴナ
ル・チューブ摩天楼に棲む番いのゴーレム手に手を取って盲目の双
子たち泥まみれの、$、$
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(5)