(アイスカフェオレとアイスココアと愛情と嫌悪による独白)/あめ
を見つめて
父はもっと呆然と其れを見つめて
液体の回転が止まるまで
二人で呆然と増えていくだまを見ていた
思わず、
笑った
どうやら我ながら恥ずかしかったらしくて
貸してみろ、ともう一度私からカップを取り上げた
私が「ばかだね」と正直に馬鹿にしたので一層
さっきの私よりもムキになって
母が買い物から帰ってくるまで
父は必死にスプーンでココアをかき混ぜていた
結局飲んだココアはだまがいっぱい浮いていて
「お前がやるよりは溶けた」と父は
ますます馬鹿っぽい台詞を吐いてふて寝を始めた
私は口の中でだまをつぶしてちゃんとココアにしながら
テレビを見ている
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