尾崎喜八「山の絵本」を読む/渡邉建志
ぼくたちのくちづけの上でふるえますように。
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杏の果肉よりもっとなめらかでもっと甘いぼくたちのくちづけって…ジャムおじさん!
さて。
そんな尾崎喜八です(違)が、どんどん蓼科の山を歩きながらすてきな言葉を吐き続けます。常に例の「君」が出続けます。
丘の上の見晴しで、何本かの背の高いポプラーに囲まれた小学校、すがすがしい光の射し込む朝の室の、卓に置かれたヴァイオリンの函のような小学校。あれが君たちの小学校だったのか。 p.18
「あれが君たちの小学校だったのか」って。知らないよ。とにかくたまらない。小学校についての喩えがすごい、「すがすがしい光の射し込む朝の室の、
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