人としての生き方/奥津強
 
れ合いが人の最も行き着くべきところである。そう思う。
 ならば、感情の趣くままに、となるのだが、ペクトルを取るものがある。理性である。しかし、それすらも、陳腐な気がする。
 人は本来、悪なのだろうか。善なのだろうか。そう考えた時、口伝という言葉が、ふと閃いた。口から伝わる言葉は、会話であり、感情の流れがそこにはある。読書は人と人の触れ合いがない・・・いやないのではないのだろうが、沈黙と知識の融合とでもいうものが存在するだけであって、人は人と交わっていく事が肝心なのではないのだろうか。

 悪や善などないような気がするのだ。人の持つ気持ちは人ではないか。言うなら、善じゃない、悪じゃない、「人
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