詩心に目覚めたわけ/炭本 樹宏
 
しさとはずかしさでいっぱいだった。明け方には店を閉めることになっていた。掃除をして後片付けをすまし、のれんを下ろし、シャッターを閉めた。二人きりになった。
 僕はそのころ、付き合ったいた女の子とわかれて3年ぐらいたっていたが、そのことで、まだ落ち込んでいた。だから、強烈に彼女がほしかった。
 二人きりになってから、たわいもない話をしていると、彼女が相談に乗ってほしいと言ってきた。その話というのは彼女も彼氏と別れて落ち込んでるという話だった。
 こんなチャンスは二度とないと思った。そして、好きだと打ち明けた。
 なんと彼女は承諾してくれて、手をにぎってきた。うれしくてうれしくてしかたなかった
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