NOTREMUSIQUE/本木はじめ
えみつつ真っ赤な海から浮かび上がるあなたに魅入る暗室の午後
街までは二百五十歩ほどでしてつまり旅客機なんて要らない
天窓に星空満ちてここはもうおとぎ話のようなげんじつ
もう二度と馬鹿げた真似はしないように左手首は没収します
出会いより別れの方が多いことなんてないのに秋風が吹く
秋という病がふたたび発症すあなたの綺麗な耳を下さい
チアノーゼ、チアノーゼ
チアノーゼ愛しい仔猫むらさきの宇宙の肺の中でおねむり
餌を与えても死なないのではなくて餌を与えるからなつくとは限らないを知る
100グラムの
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