星葬/
蒸発王
白い骨を
今
天国よりも高い
この場所へ
還しにきた
絶対零度の
透明な漆黒
夜の叫び声が聞こえるほど
無垢なる暗闇
凍りついた
遠くの銀河が
低周波の歌声を放つ
もう一つの海
宇宙
船の外
上も下も無い
暗闇に立って
黒い骨壷から
白い夫を
解き放つ
夫は
羽の様に
舞い上がり
喜んで
踊る様に
詠うように
螺旋の模様になって
全てを託した
透明な黒へと
消えて行った
どんどん
小さくなる
白い夫を見ながら
あのま
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